「ホンダ N-BOX」vs「スズキ スペーシア」軽スーパーハイトワゴン王座決定戦

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現在、軽自動車のなかで最も人気が高いカテゴリーは「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるタイプです。
軽スーパーハイトワゴンは、その名のとおりの背の高さがもたらす車内の圧倒的な広さと、左右のスライドドアなどに代表される高い利便性により、さまざまなユーザーから圧倒的なまでに支持されています。

そんな一番人気のカテゴリーで販売台数トップの座を長らく維持しているのが「ホンダ N-BOX」なのですが、N-BOXは2023年10月、3代目となる新型へのフルモデルチェンジを実施。その盤石なポジションはより盤石になるかと思われましたが、同年11月には、軽スーパーハイトワゴンとしてはホンダ N-BOXに次ぐ2番手グループに属する「スズキ スペーシア」も、最新世代へのフルモデルチェンジを受けました。

どちらも両メーカーが力を入れて開発してきたモデルであるため、そもそも各種の性能差は小さいものでした。しかしほぼ同じタイミングで両者とも最新型へ改良されたことで、性能差はより小さくなった印象もあります。

そうなったとき、我々ユーザーは新型ホンダ N-BOXと新型スズキ スペーシアのどちらを選ぶのが“正解”となるのでしょうか?

売れ行きや使い勝手など、さまざまな観点から比較してみましょう。

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【ラウンド1:どっちが売れている?】N-BOX強し、だがスペーシアが急速に追い上げている

まずは両者の売れ行きから比べてみましょう。新型ホンダ N-BOXの発売日が2023年10月6日で、新型スズキ スペーシアが同年11月22日であるため、2023年の11月や12月は、まだ両者の旧型モデルがデリバリーされていた可能性もあります。そのため、新型へ完全に切り替わったと思われる2024年1~3月の販売台数で比較してみることにしましょう。

2024年1月 2024年2月 2024年3月 合計
ホンダ N-BOX 1万7,446台 1万6,542台 2万0,360台 5万4,348台
スズキ スペーシア 1万1,316台 1万5,066台 1万7,869台 4万4,251台
出典:
軽四輪車通称名別新車販売確報 – 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会

やはり王者ホンダ N-BOXは強く、新型になっても今年の3ヶ月間でスズキ スペーシアの1.2倍以上売れているようです。

ただ、2023年1~12月はN-BOXがスペーシアの1.9倍近く売れましたので、フルモデルチェンジを機に「差はやや縮まった」と言うこともできるかもしれません。
さらに2月になって「差はかなり縮まった」という状況です。2月単月ではN-BOXが前年比84.2%と低調だったのに対して、スペーシアは153.9%と絶好調です。
これが一時的なものなのか、それとも2022年5月にたった一度だけN-BOXを上回ったスペーシアが2度目の首位に立つのか。少々目が離せない展開となってきました。

つまり「どっちが売れてる?」という問いに対する答えは――ホンダとスズキでは販売店の数が違うからという理由もあるのですが、「ホンダ N-BOXのほうが売れている、しかしその差は急速に縮まっているかもしれない」というものになります。

新型となってからも売れているホンダ N-BOXだが2月は低調だった

【ラウンド2:どっちが広い?】サイズは両者ほぼ同じだが、荷室の使いやすさはN-BOXが若干有利

軽自動車のボディサイズは「全長3.4m以下/全幅1.48m以下/全高2.0m以下」と法令で定められており、各社はその範囲内で最善のパッケージングを追求しています。そして各社の「最善を追求する試み」も今や限界ギリギリまできているため、ホンダ N-BOXとスズキ スペーシアのボディサイズと室内寸法は「ほぼ同じ」と言える数字になっています。
室内寸法はスズキ スペーシアのほうが「少し長く、少し高い」とは言えるのですが、実際の広さは「ほぼ同じ」という印象です。

■ボディサイズ

ホンダ N-BOX スズキ スペーシア
全長 3395mm 3395mm
全幅 1475mm 1475mm
全高 1790mm 1785mm

■室内寸法

ホンダ N-BOX スズキ スペーシア
長さ 2125mm 2170mm
1350mm 1345mm
高さ 1400mm 1415mm

こちらはホンダ N-BOX

こちらはスズキ スペーシアのキャビンスペース。両者の室内寸法の数値は微妙に異なるが、実際に使ううえではほぼ変わらないとも言える

とはいえ前後のスライドが可能な後席を一番後ろまで下げた際の足元空間は、微妙にですがホンダ N-BOXのほうが広くなっています。また荷室はどちらも使いやすい設計ですが、路面からリアゲート開口下端部までの高さはN-BOXが470mmで、スペーシアは510mm。つまりN-BOXのほうが40mm低いため、重くて大きな物を積載しやすいとは言えます。

そのため、結論として「車内の広さについては引き分け」なのですが、ホンダ N-BOXのほうが「少しだけ広い(使いやすい)」と言うことはできるでしょう。

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【ラウンド3:走行性能と燃費は?】走行性能はほぼ互角だが、燃費性能はスペーシアがやや上回る

ホンダ N-BOXとスズキ スペーシアは、両者とも自然吸気エンジンとターボ付きエンジンの2種類をラインナップしています。それぞれの各グレードに用意されるエンジンは下記のとおりです。

■ホンダ N-BOX
N-BOX(通常モデル)
0.66L直3自然吸気(最高出力58ps/最大トルク65Nm)
N-BOX カスタム
0.66L直3自然吸気(最高出力58ps/最大トルク65Nm)
N-BOX カスタム ターボ
0.66L直3ターボ(最高出力64ps/最大トルク104Nm)

こちらはホンダ N-BOXカスタム。ターボ付きエンジンを搭載するグレードもラインナップされている

■スズキ スペーシア
スペーシア(通常モデル)
0.66L直3自然吸気(最高出力49ps/最大トルク58Nm)
+モーター(同2.6ps/同40Nm)
スペーシア カスタム
0.66L直3自然吸気(最高出力49ps/最大トルク58Nm)
+モーター(同2.6ps/同40Nm)
スペーシア カスタム ターボ
0.66L直3ターボ(最高出力64ps/最大トルク98Nm)
+モーター(同3.1ps/同50Nm)

そしてこちらはスズキ スペーシア カスタム。こちらもカスタムにはターボ付きエンジンもラインナップされる

それぞれの数値は微妙に異なりますし、スズキ スペーシアは全車マイルドハイブリッド機構付きであるという違いもあります。しかし俯瞰的に見るならば両者の走行性能はだいたい同じぐらいと言っていいでしょう。

そのうえで、どちらかと言えば安定していて乗り心地がいいというのがホンダ N-BOXの特徴で、どちらかと言えば軽快な乗り味で気持ちいいというのがスズキ スペーシアの特徴になります。

しかし燃費性能に関しては、両者には若干の差があります。ホンダ N-BOXとスズキ スペーシアのWLTCモード燃費は下記のとおりです。

ホンダ N-BOX スズキ スペーシア
通常モデル 21.6km/L 25.1km/L(HYBRID G)
カスタム 21.5km/L 23.9km/L
カスタム ターボ 20.3km/L 21.9km/L

「スズキ スペーシアのほうが燃費は劇的に良好である」と言えるほどの差があるわけではありませんが、「スペーシアのほうがやや燃費が良い」とは言えるでしょう。

また最小回転半径の部分においても、N-BOXよりもスペーシアのほうが(若干ですが)小回りが利くという結果になっています。

ホンダ N-BOXの最小回転半径が4.5mであるのに対し、スズキ スペーシアのそれは4.4m

【ラウンド4:どちらが安全?】結論はほぼ互角。ただし高速道路ではN-BOXが少しだけ優勢かも

ホンダ N-BOXもスズキ スペーシアも今どきの軽自動車であるため、先進安全装備は両者とも充実しています。

ホンダ N-BOXは「Honda SENSING」という運転支援システムのパッケージが全車標準装備で、スズキ スペーシアは「スズキセーフティサポート」というパッケージが全車標準装備。それぞれのシステムや内容に微妙な違いはありますが、安全装備や運転支援機能のレベルはおおむね同水準であると言えます。

高速道路を走行中に前方の車両を追従してくれる「アダプティブクルーズコントロール」は、ホンダ N-BOXが全車標準装備であるのに対し、スズキ スペーシアは一部のグレードにはアダプティブクルーズコントロールが装備されていません

高速道路を走る際に便利なアダプティブクルーズコントロールは、ホンダ N-BOXは全車標準装備。スズキ スペーシアは、一部のグレードでは非装備またはメーカーオプションとなる。

そのため、ホンダ N-BOXのほうが充実していると言うこともできるのですが、そもそも軽自動車にアダプティブクルーズコントロールが必要かどうかというのは微妙なところです。高速道路はほとんど使わないという人にとっては、便利なアダプティブクルーズコントロールも無用の長物でしかないでしょう。

それゆえ、ここは「おおむね互角」と判断するのが正しい見解となります。

【ラウンド5:どっちがお得?】最廉価グレード同士で比べればスペーシアが割安だが、総合的にはほぼ互角か

車の装備内容や諸性能はグレードによって大きく異なりますし、そもそも車にどのぐらいの標準装備やオプション装備、あるいはエンジンなどの性能を求めるかというのも人それぞれです。

そのため一概には論じにくい「どっちがお得?」という問題ではあるのですが、便宜上、ホンダ N-BOXのベーシックなグレードの2WDと、スズキ スペーシアの同じくもっともベーシックなグレードである「HYBRID G」の2WDを比べてみることにしましょう。

ホンダ N-BOXの運転席まわりはおおむねこのようなデザイン

こちらはスズキ スペーシアの運転席まわり

まず車両本体価格は、ホンダ N-BOX(FF)が164万8900円であるのに対し、スズキ スペーシア HYBRID Gは153万100円。そのためスペーシア HYBRID Gのほうが断然お得にも感じますが、実際にはオプションの純正カーナビを付けることになると思われますので、カーナビ込みの価格を見てみることにしましょう。

ホンダ N-BOX 2WD:189万4,250円
(車両本体+8インチ ディスプレイオーディオ Honda CONNECT対応+ディスプレイオーディオ取り付けアタッチメント)

スズキ スペーシア HYBRID G 2WD:172万5,900円
(車両本体+全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機装着車)

ホンダ N-BOXにもっと立派な純正ナビを付ける場合は、これよりも14万円以上高くなります。しかしディスプレイオーディオで良しと考えるなら、車両本体+ナビの価格は189万4,250円。それに対してスズキ スペーシア HYBRID Gの車両本体+ナビの価格は、約17万円お安い172万5,900円で済むことになります。

ホンダ N-BOXでは全車標準装備であるアダプティブクルーズコントロール(ACC)が、スズキ スペーシア HYBRID Gには付いていません。しかし、「自分の使い方からするとACCは不要」ということであるなら、WLTCモード燃費もより良好なスズキ スペーシアのほうがお得であると言うことはできるでしょう。

ただし、これはあくまでも最廉価グレード同士を、ある一定の恣意的な基準に基づいて比較した場合の結論でしかありません。実際にはもっと複雑な要因を加味したうえでの比較になりますので、その場合の結論は「両者のお得度はおおむね同じぐらい」となるケースが多いはずです。

【判定】決定的な差があるわけではないため、基本的には「好みで選ぶ」でOK

以上のとおり、フルモデルチェンジを受けたホンダ N-BOXとスズキ スペーシアの諸性能および価格はおおむね似たようなものであるということがわかりました。

それゆえ、内外装デザインやブランドイメージなどの好みに応じて、お好きなほうを選べばOKというのが最終的な結論にはなりますが、それでもホンダ N-BOXとスズキ スペーシアには以下のような違いがあることも事実です。

・乗り心地や走行フィールはN-BOXが「やや重厚」で、スペーシアは「やや軽快」。
・高速道路を長距離走るユーザーには、アダプティブクルーズコントロールが全車標準装備となるホンダ N-BOXのほうが向いている。
・燃費はスズキ スペーシアのほうが若干良好。

内外装デザインやブランドイメージなどの好みに応じて好きなほうを選べばOKという最終結論に変わりはありませんが、どちらかといえば近距離での利用に向いているのがスズキ スペーシアで、どちらかといえば長距離移動にも適しているのがホンダ N-BOXであるとは言えるでしょう。

それぞれの使用目的と好みに応じて、ピンとくるほうをお選びいただけましたら幸いです。

どちらの車を選ぶか決まったら・・・

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執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
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  • <公開日>2024年6月7日
  • <更新日>2024年6月7日