【販売ランキングチェック!売れているクルマでおすすめはコレ】日本で使うにはベストな選択? コンパクトSUV編

世の中では相変わらずSUVが圧倒的な人気を集めています。そんなSUVのなかで人気を集めているのは「コンパクトSUV」という比較的小ぶりな、日本の道路上で扱いやすいサイズのものです。そしてコンパクトSUVは、その中でも2つのセグメントに分かれています。

「Cセグメント」と言われているグループに属するのが、スバルXVや三菱 エクリプスクロスあたりの「中ぐらいのサイズ」と呼びたくなる寸法のSUVです。

もうひとつの「Bセグメント」と言われているのは、それらよりもひと回りほど小ぶりなトヨタ ヤリス クロスやライズ、ホンダ ヴェゼルなどのモデルです。

後席にも人をひんぱんに乗せ、大きめな趣味の道具などもしばしば運搬する――という場合には、Cセグメントのほうが正直有利でしょう。

しかし、多くの人にとって当たり前のスタイルである「乗るのは1人か2人である場合が多く、大きなモノをひんぱんに持ち運ぶわけでもない」という場合には、やや小ぶりで安価なBセグメントのSUVでも普通に十分であり、むしろ安価な分だけ「Bセグメントのほうがいい」と言うこともできます。そしてそうであるがゆえに、BセグメントのSUVは今、とってもよく売れているのです。

ということで今回は、今回は2021年9月の販売台数ランキングを眺めつつ、「今イチ推しのコンパクトSUV(Bセグメント)」について検討してみましょう。

コンパクトSUVの売れ筋はやはりBセグメント

まずは2021年9月度のコンパクトSUV販売台数ランキング ベスト10を見てみます。

1位 トヨタ ヤリス|1万2696台(※1)
2位 ホンダ ヴェゼル|3901台
3位 日産 キックス|3348台
4位 トヨタ ライズ|3091台
5位 マツダ CX-30|1632台
6位 トヨタ C-HR|1132台
7位 スバル インプレッサ|1804台(※2)
8位 ダイハツ ロッキー|926台
9位 スズキ ジムニー シエラ|839台
10位 三菱 エクリプスクロス|774台

赤く記したのがBセグメントのコンパクトSUVで、黒字はCセグメントに属するコンパクトSUVです。

※1の「トヨタ ヤリス」は、SUVであるヤリス クロスとの合算値で、ヤリス クロス単体での販売台数は標記の約半分です。また※2の7位「スバル インプレッサ」も、SUVであるXVとの合算値で、XV単体での販売台数は標記の約半数となります。

なんだかんだでトヨタのヤリス クロスというモデルが圧倒的に売れているわけですが、以降、販売台数ランキング順におすすめのBセグコンパクトSUVを個別に見てまいりましょう。

【注記】
ライズとロッキーのセグメントについては複数の見方がありますが、本記事では便宜上Bセグメントに分類しています。

1位 トヨタ ヤリス クロス(179万8000~281万5000円)
「ウケない理由」が見当たらない万能コンパクトSUV

トヨタ ヤリス クロスは、売れに売れているコンパクトカー「トヨタ ヤリス」の派生モデルとして2020年8月に発売されたコンパクトSUV。ボディサイズはヤリスよりひと回り大きい全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mmですが、車台はヤリスと同じく「GA-B」という最新世代のものが適用されています。

パワートレインは最高出力120psの1.5L直3エンジンと、同じ1.5Lをベースにしたハイブリッド(システム出力116ps)の2タイプ。WLTCモード燃費値ガソリン車が17.4km~20.2km/Lで、ハイブリッド車が26.0km~30.8km/Lとなっています。

予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」は主要グレードに標準装備で、電動パーキングブレーキの採用によって「レーダークルーズコントロール」は全車速追従機能付きに進化しています。さらに、高速走行中の強い横風を検知して車線からの逸脱を抑制する制御も、トヨタ車として初めて採用しました。

ヤリスの弱点とされていた「狭い後席」「狭い荷室」もヤリスクロスでは改善されており、新世代のプラットフォームにより走りは抜群で、価格もお手頃。そして流行りのSUVであるということでイメージも良好で、ついでにハイブリッド車は燃費もかなり良好――ということで、「ウケない理由」がほぼ見当たらないのがトヨタ ヤリス クロスという車です。

……この車を敬遠したくなる理由は「売れすぎていて、あまりにも数が多いから」ぐらいしか見当たらないかもしれませんね。

2位 ホンダ ヴェゼル(227万9200~329万8900円)
「やや大きめなコンパクト」を求めるなら最適なサイズ感

2021年4月に発売された2代目のホンダ ヴェゼルは、いちおうBセグメントではあるのですが「Cセグメントに近い」と言えるサイズ感のコンパクトSUVです。

具体的には全長4330mm×全幅1790mm×全高1590mmで、トヨタ ヤリス クロスと比べると「0.5回りぐらい大きい」といった寸法。そのため、「ヤリス クロスではちょっとだけ小さいかも?」と感じるユーザーにはジャストフィットするサイズかもしれません。

エクステリアデザインはリアのピラー(柱)を寝かせたクーペ的なもので、かなりしゃれていますが、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」により車内は広々としています。ホイールベースは先代と同寸なのですが、シートの取り付け部材などの最適化により、後席の足元と膝まわりの空間はそれぞれ35mmずつ拡大したのです。

パワーユニットは最高出力115psの1.5L直4自然吸気エンジンと、1.5Lエンジンに2つのモーターを組み合わせた「e:HEV」というハイブリッドの2本立て。WLTCモード燃費はエンジン車が15.6~17.0km/Lで、e:HEVは22.0~25.0km/Lです。

安全運転支援システム「ホンダセンシング」は全車に標準装備されます。

フロントの単眼カメラとミリ波レーダーで各種情報を計測していた先代モデルとは異なり、新型ではフロントに曇り防止ヒーター付きワイドビューカメラを、前後バンパーにそれぞれ4つずつのソナーセンサーを搭載し、画像処理システムも高速化。それによりアダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能が大幅に進化したほか、後方誤発進抑制機能や近距離衝突軽減ブレーキなども使えるようになっています。

トヨタ ヤリス クロスよりは若干値が張りますが、その分だけ「使いでのあるボディサイズ」を有していますので、「コンパクトとはいえやや大きめぐらいのSUVがいい」と考えるユーザーに支持されているのが、ホンダ ヴェゼルという車です。

3位 日産 キックス(275万9900円~311万4100円)
活発な「e-POWER」が魅力だが、いわゆる上質さにはやや欠ける

日産 キックスは、2020年6月に発売されたコンパクトSUV。海外ではガソリンエンジン車も販売されていますが、日本仕様は「e-POWER」というハイブリッドのみになります。

他の日産車でも使われているe-POWERというのは、ガソリンエンジンは「発電」だけを担当し、エンジンが作った電気で動くモーターだけで車を走らせるという仕組みです。日産はこれを「電気自動車の新しいカタチ」と言っていましたが、実際は電気自動車ではなく「シリーズハイブリッド」と呼ばれているシステムです。

そのようなハイブリッドシステムを備える日産 キックスのボディサイズは全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mm。トヨタ ヤリス クロスより全長は11cmほど長いのですが、それ以外は「おおむねヤリス クロスと同じぐらい」というニュアンスの寸法です。

そんな寸法のSUVボディをe-POWERシステムは非常に活発に走らせますので、パワー感はまったく不足を感じません。また日産 キックスの後席および荷室はトヨタ ヤリス クロスよりもずいぶん広いため、コンパクトSUVに居住性/積載性を求めるユーザーには向いています。

そんな日産キックスの弱点は、元々が新興国向けの頑丈なプラットフォームを使っているので、上質感に少々物足りなさを感じるところです。言いかえると「元気がある!」といった感じの乗り心地なので、道具として使うにはいいでしょう。

4位 トヨタ ライズ(167万9000~228万2200円)
「コスパ」で考えるなら、もしかして国内最強

トヨタ ライズは2019年11月に発売された、全長4mを切るボディと排気量1Lのターボエンジンを搭載するコンパクトSUV。そのボディサイズもエンジンの大きさも、「これぞまさにBセグメント!」といった感じの比較的小ぶりなモデルで、開発を行ったのはトヨタの子会社であるダイハツです(ダイハツ版も「ダイハツ ロッキー」として販売されています)。

プラットフォームはダイハツの「DNGA」という考えに基づいて作られた最新世代のもので、コンパクトなサイズでありながら室内空間はなかなかの広さを誇ります。なおボディサイズは3995mm×全幅16955mm×全高1620mm。高さはそれなりにありますが、全長と全幅は、最近の車としては非常にコンパクトです。

搭載エンジンは最高出力98psの1L直3ターボエンジン。「非常にパワフル!」といった感じではないのですが、「十分以上にパワフル」といったニュアンスで、いい仕事をしてくれます。

そして前述したDNGAコンセプトに基づく車台も非常にしっかりしていますので、安価な車な割に走りは非常にしっかりしており、これまた前述したようにコンパクトな車ではあるのですが、車内や荷室は必要十分な広さが確保されています。

段差を越える際などに値段相応の安っぽさを感じることもありますが、それでも、コストパフォーマンスには非常に優れるコンパクトSUVであることは間違いなく、発売から約2年がたった今も一定数以上が売れる理由はよくわかります。

9位 スズキ ジムニー シエラ(179万3000~208万4500円)
「おしゃれっぷり」に関してはこれこそがクラスナンバーワン?

8位の「ダイハツ ロッキー」は4位のトヨタ ライズと中身は同じですので割愛します。で、Cセグメントを含むコンパクトSUVのなかで、9月は9番目によく売れたのがスズキのジムニー シエラです。

ジムニー シエラは、超本格軽オーフローダーとしておなじみの「スズキ ジムニー」の小型乗用車版です。2018年7月に発売となった現行モデルは1.5Lの直4自然吸気エンジンを搭載し、5速MTまたは4速ATのトランスミッションを組み合わせています。そしてSUVというよりは本格オフローダーですので、駆動方式は副変速機付きのパートタイム4WDです。軽自動車のジムニーがベースなので本来はAセグメントに分類すべきかもしれませんが、いわゆるコンパクトSUVの中で「Cセグメントではない小さい方」ということで対象としました。

ジムニー シエラをオフローダーではなくSUV(主に街乗りに使う車)として使う場合は、ジムニーに黒いオーバーフェンダーを付けたスタイリングこそが最大の魅力となるでしょう。四角四面なフォルムはあくまでも「実用性」を意図したものなのですが、現行型のジムニーではそこが図らずも「おしゃれ!」と解釈され、そこに黒いフェンダーが付いたジムニー シエラは「さらにおしゃれ!」ということで大人気となっているのです。

とはいえこの車の「本籍地」は都市部の舗装路ではなく、山岳地帯や豪雪地帯などの「悪路」であり、そこで最適に走れるように作ってあるため、舗装路での乗り味や燃費は、他の都市型コンパクトSUVと比べればさほど優秀ではありません(もちろん、そんなに悪くはないですが)。

とはいえ、そういったことも承知のうえで「このデザインとたたずまい」を選ぶのは大いにアリでしょう。やや特殊な車であるため、販売台数ランキングはさほどの上位ではないのですが、私的な「おしゃれランキング」を考えるなら、スズキ ジムニー シエラことが間違いなくコンパクトSUVの第1位であると考えられます。

執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
  • <記事掲載日>2021年11月12日
  • <更新日>2021年11月12日

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