【販売ランキングチェック!売れてるクルマでおすすめはコレ】今や定番!軽自動車スーパーハイトワゴン編

日本独自のジャンルである軽自動車は、日本の国土に合ったサイズと、車両価格および維持費が手頃であるということで、昔から大いに愛されているカテゴリーです。

そして近年は、ひと昔前の軽自動車と比べれば各種の性能も格段に向上し、さらには「スーパーハイトワゴン(非常に背の高い、後部スライドドアを備えた軽自動車)」というモンスター級に使い勝手が良いカテゴリーも爆誕。それが絶大な人気を博しているという状況です。

今回は2021年1月から4月までの累計販売台数ランキングを眺めつつ、「今イチ推しの軽スーパーハイトワゴン」を紹介いたします。

ハイトワゴンからスーパーハイトワゴンに人気は移る

軽自動車とは、日本の自動車分類のなかではもっとも小さい規格に当てはまる自動車のこと。時代によって規格は変わってきましたが、現在は、

●全長3.4 m以下
●全幅1.48 m以下
●全高2m以下
●排気量660cc以下
●定員4名以下
●貨物積載量350 kg以下

という規格が適用されています。

で、以前はこの規格のなかで「小ぶりで安価な車」がたくさん作られていたのですが、1990年代初頭に登場したスズキ ワゴンRという軽自動車が「軽ハイトワゴン(背の高い軽乗用車)」なる新ジャンルを創出しました。

そして、その後はさらに「軽スーパーハイトワゴン=背が超高い軽乗用車」というジャンルも登場。現在は、その軽スーパーハイトワゴンこそが軽自動車の一番人気ジャンルに成長しているのです。

弱点だった揺れやすさも最近のモデルは解消している

軽スーパーハイトワゴンというものが登場したばかりの頃は、その乗り心地や走行フィールは正直あまり良好ではありませんでした。

言ってみれば「車幅1.48m以下」という狭い土地の上に20階建てのビルを建てるようなものですから、カーブではゆら~っと大きく揺れてしまいますし、真っすぐ走っていても、ちょっと路面が悪いとこれまたゆらゆらと不快な、そして不安な揺れを伴ったのです。

しかしその後、各メーカーの技術革新により、軽スーパーハイトワゴンのそういった「不快で不安な揺れ」はほとんど消滅しました。

もちろん物理上の限界はありますので、「カーブでまったく揺れない」ということはありません。しかし各メーカーが作っている最新世代の軽スーパーハイトワゴンは今や、「かなりしっかりしてる」と評せるぐらいの乗り味にまで進化したのです。

乗り心地が(以前と比べれば)かなりしっかりしていて、背が非常に高いから何かと便利で、後席は大型セダン以上に広々していて、それでもやっぱり軽自動車ですから、税金などの維持費はかなり安くてとなれば、人気が炸裂するのはある意味「当たり前」といえるでしょう。

2021年1~4月 軽自動車販売台数ランキング
順位 車名 ブランド 台数 ボディタイプ
1 N-BOX ホンダ 78,857 スーパーハイトワゴン
2 スペーシア スズキ 58,70 スーパーハイトワゴン
3 タント ダイハツ 52,207 スーパーハイトワゴン
4 ムーヴ ダイハツ 41,350 ハイトワゴン
5 ルークス 日産 39,054 スーパーハイトワゴン
6 ハスラー スズキ 33,861 クロスオーバーSUV
7 ミラ ダイハツ 26,040 ハッチバック
8 アルト スズキ 25,857 ハッチバック
9 デイズ 日産 24,460 ハイトワゴン
10 ワゴンR スズキ 23,802 ハイトワゴン
11 タフト ダイハツ 22,631 クロスオーバーSUV
12 N-WGN ホンダ 20,185 ハイトワゴン
13 ジムニー スズキ 17,256 SUV
14 N-ONE ホンダ 10,042 ハッチバック
15 ピクシス トヨタ 7,019 ハイトワゴン他

販売ランキングの上位に君臨するスーパーハイトワゴンは個性豊か

軽スーパーハイトワゴンの人気っぷりは、販売台数を見ても明らかです。

全国軽自動車協会連合会が発表している「軽四輪車通称名別新車販売確報」によれば、今年1月から4月までの軽乗用車累計販売台数TOP15のうち、スーパーハイトワゴンがTOP3を独占。さらに、4位のダイハツ ムーヴ(こちらはスーパーではないほうのハイトワゴン)をはさんで、5位にもスーパーハイトワゴンが入っているという状況です。

2021年1~4月の、軽スーパーハイトワゴンに限った販売台数ランキングは、

1位:ホンダ N-BOX
2位:スズキ スペーシア
3位:ダイハツ タント
4位:日産 ルークス

ということになりますが、これがそのまま「おすすめ順」となるかどうかは微妙なところです。

前述したとおり、最新世代の軽スーパーハイトワゴンは各社の技術革新により、乗り心地と走りはどれもなかなかのモノとなっています。また競争が激しいジャンルゆえ、使い勝手や実用性も研究し尽くされ、ある意味極限まで達しています

そのため、ここは「おすすめ順」というよりも「それぞれの個性を紹介する」というニュアンスで、ランキングをたどっていきたいと思います。

1位 ホンダ N-BOX(142万8900円~223万円)/すべての平均点が高い「圧倒的王者」

先代から販売台数ナンバーワン街道まっしぐら

ホンダ N-BOXは、「日本にベストな新しいのりもの」というテーマでホンダが開発した「N」シリーズの第1弾として、まずは2011年12月に初代が登場。軽自動車最大級の室内空間や特徴的なデザインなどにより大人気となり、2012年から4年にわたって軽四輪車新車販売台数ナンバーワンを獲得しました。

その第2世代として2017年8月に登場したのが、現在販売されているホンダ N-BOXです。こちらも2017年から2020年まで、4年連続で販売台数ナンバーワンとなっています。

プレーンな外観とおしゃれな雑貨店のような内装

グレードラインナップは、超大きく分けると「標準車(N-BOX)」と、上級版である「N-BOXカスタム」に二分され、それぞれにノンターボエンジン搭載グレードとターボ付きエンジン搭載グレードが用意されています。


外観デザインは標準車もカスタムも比較的プレーンで、内装のデザインと質感も、今どきのちょっとおしゃれな雑貨店のような世界観。「ここはちょっとダサいなぁ……」みたいに感じるデザインがほとんどないというのが、この車が長らく販売台数ナンバーワンの座につき続けている理由のひとつでしょう。

しっかりとした走り、広さと工夫にあふれた室内空間

そしてN-BOXの魅力は内外装のデザインだけではありません。

新開発されたエンジンは、ターボ付きは当然パワフルですが、ノンターボのほうでも十分な力を実用回転域から発生します。そして、これまた新たに設計されたプラットフォーム(車の基本骨格)も、横幅に対して「縦」がかなり長いこの車を、不快で不安な揺れを伴うことなくしっかりと走らせます。

リアシートは全グレードで前後に19cmスライドできるため、一番後ろに下げれば「……リムジンか?」と思うほど、後席居住空間は広大になります。またこれは一部のグレード限定ですが、助手席が前後に57cmスライドする「助手席スーパースライドシート」という機構も設定されています。


ホンダ N-BOXは荷室も広く、その使い勝手も良好です。

後部座席の下に燃料タンクがない設計であるため床面が低く、なおかつ天井は非常に高いため、上下に長い荷物を「ウォークイン」で積載できますし、後席を前方に19cmスライドさせれば、荷室の奥行きも軽自動車としてはなかなかのモノとなるのです。

安全装備だけでなく運転支援系も充実

そして先進安全装備「ホンダセンシング」も、N-BOXの場合は全車標準装備です。

いわゆる自動ブレーキや誤発進抑制機能などが標準装備されるのは、もはや「お約束」といえますが、ホンダ N-BOXの場合は、軽自動車ではオプション扱いになることも多いアダプティブ・クルーズ・コントロール(前方を走る車両を追従し、自動的に速度と車間距離を調整してくれる装置)や、車線を逸脱しないよう支援してくれる運転支援系のシステムも、標準で装備されています。

実力を伴った人気モデル

このように、ほとんど「穴」がないといえる作り&装備に加えて、長年にわたって販売台数ナンバーワンの座を維持しているという「ブランド力」が加わることで、ホンダ N-BOXは絶大な人気を博し続けているのです。また、誰にでも自信をもっておすすめできる「実力を伴った人気モデル」でもあります。

2位 スズキ スペーシア(129万8000円~195万9100円)/洒落たデザインが決め手の「アナザーチョイス」

現行型になってからデザイン性の高さで人気上昇

直近のランキングで2位、そして2020年1月~12月の販売台数ランキングでも2位だったのが、スズキが製造販売する「スペーシア」シリーズ。標準車である「スペーシア」のほか、上級版に相当する「スペーシア カスタム」と、文字通りギアっぽい(道具っぽい)デザインが特徴となる「スペーシア ギア」という3つのラインが用意されています。

2013年にデビューした初代スズキ スペーシアは、軽スーパーハイトワゴンとしてのオーソドックスなデザインを採用していましたが、2017年12月に登場した2代目(現行型)は、「スーツケース」をモチーフにしたおしゃれなフォルム&ディテールに大変身。

外観だけでなく内装デザインにもスーツケースがモチーフとして使われており、そのセンスはなかなかのレベルといえます。「道具として使い倒したい軽自動車であっても、デザイン性には大いにこだわりたい」という人にとっては、ホンダ N-BOX以上に魅力的な存在といえそうです。

走りや室内の使い勝手はN-BOXに勝るとも劣らない

基本となる骨格はこちらも新世代のもので、パワーユニットは全車マイルドハイブリッド(加速時などにモーターがエンジンをアシストする簡易的なハイブリッドシステム)。スペーシア カスタムとスペーシアギアの上級グレードには、マイルドハイブリッドに加えてターボチャージャーも装着されています。

走りの質はホンダ N-BOXに勝るとも劣らずで、室内の使い勝手もN-BOX同様にかなり良好。そして先進安全装備も、スペーシアの場合は「スズキ セーフティ サポート」が(ごく一部のグレードを除いて)標準装備されています。


ただ、スペーシア カスタムとスペーシア ギアには付いていますが、標準車であるスペーシアではアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)が標準装備ではなく、上級グレードの「ハイブリッドX」でのみオプションでの装着が可能――という点が、ホンダ N-BOXと比べると見劣りする点です。

デザインが気に入ったのであれば間違いなく「買い」

とはいえ高速道路をあまり使わないなら、ACCはなくても困りません。スーツケースをモチーフとしたこの内外装デザインこそが気に入ったのであれば、間違いなく「買い」の一台だといえるでしょう。人気がありすぎるホンダ N-BOXはちょっと……と感じる人にとっての「素敵なアナザーチョイス」なのです。

3位 ダイハツ タント(124万3000円~200万2000円)/まさにミラクルな乗降性が魅力の「子育てスペシャル」

左側の開口部の広さは他のモデルではありえない

ランキングの上下変動は若干激しいのですが、それでも常時「3位ぐらい」をキープしている実力派の軽スーパーハイトワゴンです。

通常、車というのは前のドアと後ろドアの間にBピラーという柱があるのですが、タントは車体左側のその柱を大胆にも取っ払いました(正確には、取っ払ったのではなく前後ドアに内蔵したのですが)。

そのためタントは、左側のフロントドアと後部スライドドアを開けると圧倒的に広い開口部が生まれ、これにより、他のモデルではありえないほどの「乗降性の良さ」が味わえることになります。例えばベビーカーなどを抱えたままの状態でも、余裕で車内に乗り込むことができるのです。

さらに助手席を前後に38cm、運転席は54cmもスライドできるため、停車中は車内を自由自在に移動することができます。ダイハツは、このパッケージングのことを「ミラクルウォークスルーパッケージ」と呼んでいますが、まさにミラクル(奇跡)と言いたくなるほど、その乗降性は良好です。

しっかりとした走り、子育て中の人に便利な一台

現在販売されているタントは、2019年7月に登場した4代目。「DNGA(ダイハツニューグローバルアーキテクチャ)」というコンセプトにもとづく新しい骨格と、大幅に改良されたエンジンなどにより、非常に背が高い軽自動車とは思えないほど「しっかり感」のある走りが味わえる一台に仕上がっています。

子育て中の人は特に、車体左側に柱がない「ミラクルオープンドア」と、前述の「ミラクルウォークスルーパッケージ」は便利だと感じることでしょう。

4位 日産ルークス(141万5700円~213万2900円)/後発ならではの「研究成果」が光る

後席まわりの広さと使い勝手に優れる

日産ルークスは、2020年2月から販売されている日産の軽スーパーハイトワゴン。以前は「デイズ ルークス」という車名でしたが、このモデルチェンジのときから「ルークス」というシンプルな車名に変更されました。

現行型デイズと同じく新世代のプラットフォーム(車台)を採用したことで、後席居住空間と荷室はクラストップレベルの広さを実現しています。

現行世代の軽スーパーハイトワゴンとしては後発なだけあって、後席まわりの使い勝手は入念に研究されています。

スライドドアの開口幅は650mmを確保し、車体の下に片足をかざすだけで開閉できる「ハンズフリーオートスライドドア」を両側ともに採用。後席は32cmもの前後スライドが可能です。そのほか、ここでは書ききれないほどのさまざまな工夫が、車内の随所に施されているのが日産ルークスの特徴となります。

シンプルなデザインを採用した標準車のほか、力強いデザインの「ハイウェイスター」というラインも用意。搭載エンジンは最高出力52psの直3ノンターボエンジンが基本となりますが、ハイウェイスターでは最高出力64psのターボ付きエンジンを選ぶこともできます。

日産ご自慢の「プロパイロット」で高速を使う人におすすめ

また日産自慢の運転支援システム「プロパイロット」は、軽ハイトワゴンである「デイズ」に採用されているものよりさらに進化したタイプを搭載。

標準車はプロパイロットを装着できないのは残念ですが、高速道路を使う機会が多い人には、日産ルークス ハイウェイスターの「プロパイロット エディション」は、なかなかのおすすめ軽スーパーハイトワゴンとなります。

執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
  • <記事掲載日>2021年7月1日
  • <更新日>2021年7月16日

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