【販売ランキングチェック!売れているクルマでおすすめはコレ】使い勝手の良さとコスパで人気上昇中「ミドルコンパクトSUV」編

世の中では相変わらずSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)が大人気。特に東京都内などでは、トヨタ ランドクルーザーやメルセデス・ベンツ Gクラスなどの「かなり大柄なSUV」を、オフローダーとしてではなく「プレミアムな乗用車」として使っている人の姿が目立ちます。

そういった大柄でゴージャスなSUVは確かにステキですが(走りに安定感がありますし、何より、ちょっと自慢できる感じのステイタス性があります)、普通に使う分には、あそこまでのサイズは不要な場合も多いものです。

さまざまあるSUVのなかでもっとも使いでがあるというか万能なのは、「ミドルコンパクト」とでも呼ぶべきサイズ感のSUVでしょう。

ここで言うミドルコンパクトというのは、自動車業界ではCセグメントと呼ばれている、全長4.4mぐらいのSUVのこと。より具体的に車名で言うならスバル XVやマツダ CX-30といったあたりのモデルで、要するに「中型(トヨタ ハリアーなど)よりもちょっと小さいぐらいのSUV」です。

それらのミドルコンパクトSUVは、さすがに大家族や大きな道具を使う趣味をお持ちの人には向きませんが、そうでない人にとっては本当に「ちょうどいい存在」です。

大きすぎないため市街地や山道での取り回しが容易で、燃費も(車重が比較的軽いため)それなりに良好であり、走りも活発。しかし決して小さすぎはしないため、人も荷物もまあまあ十分に収容できるという“万能選手”なのです。

ということで今回は最新の販売台数ランキングを眺めつつ、「今イチ推しのミドルコンパクトSUV」について検討してみましょう。

王者「トヨタ カローラ クロス」をホンダ ヴェゼルなどが追う展開

まずは2022年1月のミドルコンパクトSUV販売台数ランキングを見てみましょう。

1位 トヨタ カローラ(カローラ クロス)|1万2671台(6335台?)
2位 ホンダ ヴェゼル|4294台
3位 マツダ CX-30|1725台
4位 トヨタ C-HR|1072台
5位 三菱 エクリプスクロス|814台
6位 スバル インプレッサ(XV)|1141台(570台?)

……とはいえ、トヨタ カローラ クロスの販売台数はカローラシリーズ全体の数字に合算されており、スバル XVの数字も「スバル インプレッサ」への合算で集計されています。そのため、この2車種については便宜上「SUVの販売台数は全体の50%」としましたので、上記の販売台数と順位は、実際の数字とは異なる「だいたいこのぐらいでしょう」というものであることを、あらかじめご承知ください。

また2位のホンダ ヴェゼルは、ミドルコンパクトSUV=Cセグメントよりひとつ下の「Bセグメント」に振り分けられる場合が多いのですが、全長4330mmの「コンパクトと呼ぶには無理がある、ちょい大きめなサイズ」であることは間違いないため、この記事では「ミドルコンパクトSUV」として扱うことにします。

で、こうして見てみますと、やはりトヨタのカローラ クロスが大変よく売れている模様。そしてそんなカローラ クロスをホンダ ヴェゼルが追い、その他の個性派ミドルコンパクトSUVを、個性を求めるユーザーたちが購入している――という図式になっているようです。

それでは以降、販売台数ランキング順におすすめのミドルコンパクトSUVを個別に見てまいりましょう。

1位 トヨタ カローラ クロス(199万9000~319万9000円)「十分な走行性能と十分なサイズ」を手頃なプライスで実現させた超売れモデル

トヨタ カローラ クロスは、50年以上にわたる歴史を持つカローラシリーズとしては初のSUVとして2021年9月に発売された全長4490mmのミドルコンパクトSUVです。

プラットフォームは他の現行型カローラシリーズと同じ「GA-Cプラットフォーム」で、そこに全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mmのSUVホディが組み合わせられています。カローラシリーズとしては唯一の「全幅1800mm超」ですが、ボディの見切りが良いことに加えて最小回転半径も5.2mと小さいため、狭い都市部であっても比較的スイスイ走ることが可能です。

同じプラットフォームを使ったクロスオーバーSUV「トヨタ C-HR」はあまりにもデザイン優先だったせいか、後席の着座姿勢や開放感は今ひとつでした。しかしカローラ クロスは、コンパクトSUVでありながら、後席にも成人男性2人が普通に座れる作りとなっています。

荷室容量も5人乗車時で487Lと十分で、荷室開口部の下端は地面から720mmmと低めに設定されているため、ラゲッジルームの使い勝手も良好です。

用意されるパワーユニットは、最高出力140psの1.8L直4ガソリンエンジンと、同98psの1.8Lエンジンに同72psのフロントモーターを組み合わせたハイブリッドの2種類。ガソリン車の駆動方式はFFのみですが、ハイブリッド車には最高出力7.2psの独立式リアモーターを搭載した4WD(E-Four)もラインナップされています。

WLTCモード燃費はガソリン車が14.4km/Lで、ハイブリッド車は26.2km/L。ガソリン車の燃費はクラス標準といったところですが、ハイブリッドのほうはさすがの低燃費です。

運転支援システムに関しても抜かりはなく、「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備。またパーキングサポートブレーキとバックガイドモニターも、ガソリン車の最廉価グレード以外の全車に標準装備です。

CセグメントのSUVとしては立派なサイズであるにもかかわらず車両価格は抑えめで、なおかつ、他の車と比べると「ハイブリッド車とガソリン車の価格差が比較的小さい」というのが、トヨタ カローラ クロスの価格面での特徴。十分な走行性能と十分なサイズ、そして良好な使い勝手を、安価な車両プライスのなかで実現させた「実用乗用車の鑑」と言える一台であるため、「売れている理由はよくわかる……」としか言いようがありません

2位 ホンダ ヴェゼル(227万9200~329万8900円)
2モーター式ハイブリッドとスタイリッシュなフォルムで2番人気に

現行型のホンダ ヴェゼルは、2013年にデビューしてヒット作となった初代ヴェゼルのフルモデルチェンジ版として登場した全長4330mのSUV。「ミドルコンパクト」と呼ぶには微妙に小さいのですが、かといって「コンパクトSUV」とするには大きすぎる……という微妙で絶妙なサイズ感の一台です。

具体的なボディサイズは全長4330mm×全幅1790mm×全高1590mm。先代と比べると35mm長く、20mm幅広くなっていますが、全高は逆に15mm低くなりました。

外観デザインは、リアのピラーを寝かせたクーペ的スタイルがさらに先鋭化しましたが、全席でクリアな視界が確保される「スリーク&ロングキャビン」を採用。またフロント周りでは、ボディとの一体感を高めた「同色グリル」を採用している点も、新型ヴェゼルの大きな特徴です。

インテリアデザインは、いかにもSUVらしい力強さを表現しつつ、体に触れる部分にはソフトパッドをあしらうなどして、強さと優しさの双方を表現。またホンダ独自の「センタータンクレイアウト」による広々とした空間とユーティリティ性は先代モデルから踏襲しているものですが、後席足元とヒザまわりの空間はそれぞれ35mmずつ拡大され、背もたれの傾斜角も後方に2度大きくなっています。

パワーユニットはガソリンエンジンとハイブリッドの2種類。ガソリンエンジンは最高出力118psの1.5L直4自然吸気で、変速機はCVT(無断変速)。WLTCモード燃費は2WDが17.0km/Lで、4WDが15.6km/Lです。

一方のハイブリッドは、1.5Lエンジンに発電用と走行用の2つのモーターを加えた「e:HEV」というタイプ。

発進時や街中を低速で走る際は、バッテリーの電気を使ってモーターで走る「EVドライブ」となり、加速時には、エンジンで発電用モーターを回して得た電気を走行用モーターに供給する「ハイブリッドドライブ」に。そして高速巡航時はどちらのモーターも使わず、エンジンがタイヤを駆動する「エンジンドライブ」になります。ハイブリッド車のWLTCモード燃費値は2WDが24.8~25.0km/Lで、4WDが22.0km/Lです。

安全運転支援システム「ホンダセンシング」は全車に標準装備で、各種情報を計測するカメラやセンサーの性能も、先代と比べて大幅に進化。アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能の内容が進化し、「後方誤発進抑制機能」や「近距離衝突軽減ブレーキ」なども使えるようになっています。

走りとデザインのクオリティが高く、それでいて車内や荷室は決して狭くはなく、燃費も(特にe:HEVは)良好であるホンダ ヴェゼルは、何かと好バランスで大きすぎないSUVを探している人にとってはうってつけのチョイス。カローラ クロスに次ぐ勢いで売れている事実に対しては「ですよね!」としか言うほかありません。

3位 マツダ CX-30(239万2500~371万3600円)
内外装の“おしゃれっぷり”についてはこれこそがナンバーワンか?

マツダ CX-30は、2019年9月に発売された全長4395mmのクロスオーバーSUV。ベースとなっているのはマツダ3というCセグメントハッチバックで、CX-30のボディサイズは全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm。これは同門の小型SUV車であるマツダCX-3よりひと回り大きく、トヨタ C-HRとほぼ似たような数値です。

マツダ CX-30という車の特徴は、簡単に言ってしまえば「美しいデザインとこだわりの走行性能を特徴とする、扱いやすいサイズのクロスオーバーSUV」ということになるでしょう。

用意されるエンジンは全3種類。「スカイアクティブG 2.0」という2Lのガソリンエンジンと、1.8Lのディーゼルターボエンジン(スカイアクティブD 1.8)、そしてSPCCI(火花点火制御圧縮着火)技術というややこしいテクノロジーを駆使した次世代型の2Lガソリンエンジン(スカイアクティブX 2.0)がラインナップされています。

トランスミッションは6速ATが基本となりますが、ガソリンエンジン車では6MTを選ぶことも可能。駆動方式は全車にFFと4WDが用意され、4WDには「オフロード・トラクション・アシスト」という、悪路にハマった際の脱出補助機構を搭載。また全車に「G-ベクタリング コントロール プラス」というかなり先進的な車両挙動の制御機構が標準装備されているため、緊急時の危険回避能力に優れているだけでなく、車との一体感が向上することで、長距離運転時の疲労もあまり蓄積されません。

運転支援システムは「レーダークルーズコントロール」と「レーンキープアシストシステム」「ブラインドスポットモニタリング」などを全車に標準装備。わき見や居眠りを検知し警告する「ドライバーモニタリング」や「360°ビュー・モニター」なども、オプションとして用意されています。

そんなマツダ CX-30の最大のアドバンテージは、「内外装デザインにおける圧倒的なセンスの良さ」と、「SUV離れした走りの気持ち良さ」にあると言えます。ややマニアックな選択ではあCるかもしれませんが、だからこそ、「しゃれてるレア物」が好きな人にはたまらない一台になることでしょう。

5位 三菱 エクリプスクロス(253万1100~451万円)四駆性能が自慢の一台。EV的に使えるプラグインハイブリッド車は特にイイ!

三菱 エクリプスクロスは、三菱が2017年のジュネーブ国際モーターショーで世界初公開し、日本市場では2018年3月に発売となった全長4545mmの、今回ご紹介するなかでは一番大きめなクロスオーバーSUV。2020年12月には大幅改良が行われると同時に、プラグインハイブリッドモデルも追加されました。

SUVとクーペをミックスさせたニュアンスのスタイリッシュなフォルムですが、後席のレッグスペースと荷室スペースの余裕と実用性を確保するため、マイナーチェンジで全長を140mm延ばし、リアシートには9段階のリクライニング機能を標準装備。そのため、ミドルコンパクトといえるクラスでありながら、室内空間にはまずまずの余裕が感じられます。

日本仕様に当初用意されたエンジンは最高出力150psの1.5L直4ガソリンターボで、駆動方式はFFと電子制御式フルタイム4WDの双方が用意されています。そして4WDモデルには、AYC(アクティブヨーコントロール)ブレーキ制御を組み込んだ車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載。1/100秒単位で制御されるというこのシステムにより、高い安全性と快適性が実現されています。

舗装路でも快適な乗り味を披露するエクリプスクロスですが、さすがは三菱のSUVだけあってオフロード性能も重視。タイヤをボディの四隅に配置することで十分なアプローチアングルとディパーチャーアングル(障害物に対しての進入可能な角度と脱出可能な角度)が確保されており、センターコンソールに配置されたセレクターによって「オート」「スノー」「グラベル」という3種類のドライブモードを選択可能です。

2019年6月には最高出力145ps/最大トルク380Nmの2.3Lディーゼルターボエンジンを追加し、そして2020年10月には、前述のとおり大幅改良が行われました。

この大幅改良ではエクステリアデザインを一新するとともに、全長を140mm延ばして荷室容量を拡大。さらに「アウトランダーPHEV」のシステムを踏襲したプラグインハイブリッド車(PHEV)を新たに設定したことが最大のトピックです。なおこのタイミングで、2019年6月に追加された2.3Lディーゼルターボエンジン搭載グレードは姿を消しています。

新設定されたPHEV仕様は、2.4Lガソリンエンジンに、前後の車軸に1基ずつのツインモーターを加えたシステム。走行用バッテリーの電力でモーターを駆動する「EV走行モード」と、エンジンが発電した電力でモーターを駆動する「シリーズ走行モード」、エンジンによる走行をモーターがアシストする「パラレル走行モード」が、走行状況に応じて自動で切り替わるというものです。

ただ、エンジンで駆動させる「パラレル走行モード」が発動するのは高速道路での追い越し加速時などに限定され、大半のシーンで「EV走行モード」または「シリーズ走行モード」で走ることが可能となっています。

PHEV仕様は急速充電と200Vの普通充電の両方に対応しており、近距離の移動はEVとして、遠出する際にはハイブリッド車として使うことが可能です。ちなみにバッテリーのみでの航続可能距離は57.3km(WLTCモード)。そして荷室には1500WのAC100V電源が備えられており、バッテリーとエンジンによる発電を組み合わせれば、最大で一般家庭の約10日分の電力を供給することも可能です。

三菱 エクリプスクロスは販売台数ランキングこそ上位ではありませんが、ガソリンモデルもPHEVモデルも、価格やコストうんぬんではなく、その「走りの質」という一点において選んでしまっても何ら問題がないぐらい、素晴らしい走行フィールを披露してくれるミドルコンパクトSUVです。爽快に、スポーティに走れるSUVを探している人には、ぜひ注目してみることをおすすめいたします。

執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
  • <記事掲載日>2022年3月14日
  • <更新日>2022年3月14日

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