【人気車ヒットの理由】7年連続で軽自動車No.1のスーパーハイトワゴン 「ホンダN-BOX」

ジャンルを問わず「人気商品」には、人気を博すだけの理由=良いところが必ずあるものです。そしてそれは車においても同様で、大ヒットしている車にはほぼ必ず、ヒットするだけの理由=美点があります。

このコーナーでは「今、かなり売れてる車」をピックアップし、その売れてる理由を明らかにしてまいります。

第9回となる今回は、7年連続で軽自動車販売台数ナンバーワンの座に輝き続けている超人気の軽スーパーハイトワゴン、「ホンダ N-BOX」です。

抜群のスペース効率と使い勝手の良さで圧倒的売れ筋に

ホンダ N-BOX、その初代は2011年11月にデビューした背の高い軽自動車。「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるカテゴリーに属する車です。

初代N-BOXは、軽自動車最大級の室内空間と特徴的なエクステリアデザインで大人気に。その大ヒットを受けて2017年8月にフルモデルチェンジを受けたのが、現在販売されている2代目のホンダ N-BOXです。

2代目のデザインは、初代のイメージを踏襲しつつもシンプルで洗練されたものとなり、最大の売りである室内空間も、前後シートの距離と荷室長がそれぞれ25mm拡大されました。

こちらがホンダ N-BOXの標準モデル。

上級モデルに相当するN-BOXカスタム。写真は特別仕様車の「STYLE+ BLACK」。

標準モデルの運転席まわり。N-BOXカスタムの運転席まわりも、微妙な違いはあるが、おおむねこのようなデザインとなっている。

シートレイアウトによって「ベンチシート仕様」と「スーパースライドシート仕様」の2タイプがあり(※ほかに第3のパッケージとして「スロープ仕様」もあり)、スーパースライドシート仕様は助手席に570mmのロングスライド機構を採用しています。

そしてスーパースライドシート仕様、ベンチシート仕様ともに後席は190mmの前後スライドが可能。座面がはねあがるチップアップ機構や、背もたれを前に倒せばフラットな荷室となるダイブダウン機構も備わっています。

搭載エンジンは660ccの直列3気筒DOHC(最高出力58ps)と同ターボ(最高出力64ps)の2種類で、駆動方式はFFと4WDの双方を用意。トランスミッションはいずれもCVT(無段変速機)が組み合わされています。

ベンチシート仕様の室内スペース。

スーパースライド仕様の助手席は、前後に57cmの超ロングスライドが可能。

2021年12月の一部改良で「渋滞追従機能付ACC」を採用

ホンダ N-BOXは安全装備も充実している軽自動車で、登場時には、ホンダの軽として初めて先進安全運転システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全車に標準装備しました。

2019年10月の一部改良でHonda SENSINGはさらに強化され、衝突軽減ブレーキが横断する自転車にも対応するようになったほか、街灯のない夜間の歩行者も検知可能に。リアワイドカメラも従来の30万画素から100万画素に画素数を上げたことで、画質がよりクリアになっています。

2021年5月末にN-BOXシリーズの累計販売台数が200万台を突破し、四輪車新車販売台数においても2015年から7年連続で1位となったホンダ N-BOXですが2021年12月、さらなる一部改良が行われました。

この一部改良では、ユーザーからの要望が多かった「オートブレーキホールド付電子制御パーキングブレーキ」を全車に標準装備。従来は足踏み式だったパーキングブレーキが、ATレバーの右にあるスイッチで操作できるようになったのです。

直近の一部改良でパーキングブレーキは足踏み式からスイッチ式に。

またこれに伴って、Honda SENSINGのアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)も進化しました。従来は25km/h以下になる自動的にACCが解除されてしまったのですが、今回「渋滞追従機能付ACC」となり、25km/h以下の渋滞時でも前車を追従してくれることに。これにより、高速道路における渋滞時の運転負荷は大幅に軽減されることになりました。

デザインやエンジン、シート方式が異なる多数のグレードを用意

現在販売されているホンダ N-BOXのグレードラインナップとそれぞれの価格は下記のとおりです。

【N-BOX】
●G|144万8700円~
●L|157万9600円~
●EX|167万8600円~
●L コーディネートスタイル|179万9600円~
●L・ターボ|177万8700円~
●EX・ターボ|182万9300円~
●L・ターボ コーディネートスタイル|190万9600円~
●G・スロープ|164万7000円~
●L・スロープ|176万6000円~
●L・ターボ・スロープ|194万7000円~

【N-BOXカスタム】※特別仕様車を除く
●Custome L|178万9700円~
●Custome EX|189万9700円~
●Custome L コーディネートスタイル|199万8700円~
●Custome L・ターボ|198万8800円~
●Custome EX・ターボ|203万9400円~
●Custome L・ターボ コーディネートスタイル|211万9700円~
●Custome L・スロープ|200万7000円~

ホンダ N-BOXのグレードは、まずは通常の「N-BOX」と、ややワイルド系なビジュアルを備えた「N-BOXカスタム」の2方向に大別されます。そして通常モデルとカスタムのそれぞれのエンジンが「ターボ付き」と「ターボ無し」に分かれ、そのなかにいろいろなグレードがある――という構成です。

細かく言うときりがないのですが、N-BOX各グレードの名称と特徴は、おおむね以下の感じになっています。

・ベンチシート仕様には車名に「G」または「L」というアルファベットが付く。
・そのなかで「ベーシックなG、標準のL、ターボ付き上級のLターボ」に分かれている。
・スーパースライドシート仕様には車名に「EX」というアルファベットが付く。
・そのなかに「ターボ無しのEXと、ターボ付きのEXターボ」の2種類がある。
・ベンチシート仕様よりスーパースライドシート仕様のほうが、装備はやや充実している。
・通常のN-BOXよりN-BOXカスタムのほうが、装備は充実している。
・「コーディネートスタイル」はいわゆる全部盛り。

「背が高い実用車」を求める人にはやはりベストに近い選択肢

前述したグレードのなかから「比較的安価にN-BOXを入手したい」という場合にはベンチシート仕様の「L」がおすすめとなるでしょう。さらに安価な「G」も悪くはないのですが、Gは、

・パワースライドドアが選択できない
・運転席&助手席のシートヒーターがない
・充電用USBジャックがない

という難点もありますので、若干の価格差を押してでもLを選ぶのが、結果として満足のいく選択になるかと思われます。

そして「子どもまたは高齢者を後席に乗せることが多い」という場合には、リア左側のパワースライドドアが標準装備されると同時に、助手席を前後に57cmスライドさせられる「スーパースライドシート」が標準装備となる「EX」がおすすめとなるでしょう。

そして、上記のそれぞれにおいて「自然吸気エンジンにするか、それともターボ付きを選ぶか?」という問題と、「標準車にするか、それともワイルド系なカスタムにするべきか?」という問題は本当に人それぞれ、好みや使用目的などによって変わる話ですので、ここでは何とも申し上げられません。

ただ、あくまで個人的な感覚としては「自然吸気エンジンで十分」とは思っています。そして標準車かカスタムかという問題は、繰り返しになりますが好みの問題です。

直近の一部改良で運転支援システムの内容がさらに進化したホンダ N-BOXは、「背が高くて使い勝手に優れる、それでいてしっかり走れる軽自動車」を探している人には――さすがに7年連続で軽自動車販売台数ナンバーワンの座に輝き続けているだけあって――さらにベストまたはベストにきわめて近い選択肢になったといえます。

そんな選択肢が「売れない理由」がもしもあるとすれば、逆に聞かせてほしいものです……!

執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
  • <記事掲載日>2022年3月14日
  • <更新日>2022年3月14日

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