スバル レヴォーグ レイバックはコスパ最強な都市型SUV。乗り心地の良さも異次元レベルだ!

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スバル レヴォーグ レイバックの左側外観

SUVで本当に野山を駆け回っている人っているのか?

近年はご承知のとおりSUVがバカ売れしており、その国内販売シェアは2021年、ついに30%を超えた。

今から約10年前、2014年の登録車新車販売台数を見るとミニバンが約75万台とぶっちぎりに売れまくっており、SUVは、そのときすでに凋落傾向にあったステーションワゴンの約42万台よりも少ない、約37万台でしかなかった。

だがSUVは翌2015年にはさっそくステーションワゴンの台数を追い越し、その後はずっと右肩上がりで推移。そしてその間、ミニバンの販売台数は横ばいまたはせいぜい微増でしかなかったが、前述のとおり2021年、SUVはミニバンの約69万台にほぼ並ぶ約65万台を販売するに至ったのだ。

要するに「最近、SUVはとっても売れてますよ」という話なのだが、SUVすなわちスポーツ・ユーティリティ・ビークルを、その名のとおりスポーティに、つまり「野山を駆け回る感じ」で使っているユーザーが果たして何割いるかといえば――おそらくはけっこう少なめだろう。

いやもちろんキャンプや釣り、あるいは林道走行などのためにSUVをハードに使っている人もそれなりの数いらっしゃるはずだが、多くの人は「都市部の舗装路」でのみ、SUVを使っているのだ。

都市型SUV全盛時代なのに、スバルには持ち駒がなかった

舗装が行き届いた都市部でなぜ、わざわざSUVに乗るかといえば、まずは「流行っているから」という身もフタもない理由があるわけだが、それに加えてSUVには、

●最低地上高が高いから、コンクリートの段差や駐車場のタイヤ止めなどの存在をあまり気にせず走ることができる。

●着座位置がセダンなどよりも高めであるため見晴らしが良く、気分も良い。

●ミニバンほどではないが全高が高めであるため、車内にいても閉塞感を感じづらい。そして荷物もけっこう積める。

などのメリットがある。それゆえ、多くの人は都市部であってもSUVを選ぶのだ。いわば今は「都市型SUV全盛の時代」なのである。

しかしそんな時代のなか、常時全輪駆動のSUVづくりを得意とするスバルは「都市型SUV」のラインナップがなかった。いや、スバルが作っているXVやフォレスターなどを街なかで使っても何ら問題はないわけだが、商品イメージの問題として「XV=泥と雪が似合う車」「フォレスター=さらに泥と雪が似合う車」という具合になってしまっている。そのため、「泥道はほとんど走らないけどSUVが欲しい」と考える都市部住まいのユーザーに訴求できるモデルがなかったのだ。

泥道を走るスバル フォレスター X-BREAK

写真はスバル フォレスター X-BREAK。このSUVを市街地で乗っても何の問題もないわけだが、イメージ的に「土の香りが強すぎる車」であることは確かかも

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低速域でも高速域でも抜群の乗り心地が味わえるレイバック

そんなスバルにとっては「空白」だった売れ筋の商品ゾーンを埋めるべく登場したのが、スバル レヴォーグをベースとする新型SUV「スバル レヴォーグ レイバック」だ。

過日プロトタイプに試乗したコレの具合は、すこぶる良好であった。まぁ個人的な観点から言うと内外装デザインの部分で「……都市型とうたうほどのオシャレさんではないかな?」とも思ったのだが、そこはさておき、走りと使い勝手は超絶最高であった。

スバル レヴォーグ レイバック のティザー画像

正式発表前に公開されたスバル レヴォーグ レイバックのティザー画像

まず第一にスバル レヴォーグ レイバック(以下、レイバック)は「信じられないほど乗り心地がいい車」である。

車というのは通常、低速走行時の乗り心地を良くしようとすると、高速走行時の安定性が今ひとつになる(※話をわかりやすくするため物事を単純化しています)。しかし高速域、例えばドイツの高速道路にて250km/h以上で巡航してもびくともしないような足回りにすると、低速域での乗り心地が硬くなりすぎて、「市街地では乗ってらんないよ!」的な車になってしまうものだ。これは致し方ない話で、たいていの物事は「あちらを立てればこちらが立たず」なのである。

しかしレイバックは不思議なことに、そのあたりが見事に“両立”している。

30~40km/hほどの低速で安全運転している際の乗り心地がいいのは、「都市型SUV」としては当たり前の話かもしれない。だがそこから山坂道へ行き、けっこうな速度で荒れた道を疾走しても、相変わらずレイバックは「雲の上にいるかのように快適な乗り心地」を維持し続けるのだ。

その乗り味は舶来物の高級4ドアサルーンとほぼ同じ?

筆者がレイバックを試乗したのは公道ではあったが、スバルが試乗会に際して特別に封鎖してくれた公道であった。そのため通常は50km/hぐらいまでしか出すことが許されないカーブを、その試乗会では70~100km/hほどの速度で曲がってみることもできた。しかもそのカーブの多くは――試乗会が開催されたのがけっこうな山奥であったため――路面がけっこう荒れていた。舗装がいまひとつな場所が多く、路面のうねりもデカかったのだ。

だがそんな場所をレイバックは、舶来物の高級4ドアサルーンとほぼ同じような感触で、やわらかに走り抜けていく

「低速域でも高速域でもここまで抜群に乗り心地がいい」というSUVは、ほかにちょっと見あたらない。少なくともレイバックの価格帯(車両価格税込み400万円ぐらい)では、ほとんど見あたらない。

この魔法のような乗り心地を備えているSUVであれば、自宅近所の「ゾーン30」を28km/hぐらいでゆっくり安全に走るときも、そして都市高速道路をそれなりのペースで快走するときも、いつだってドライバーとパッセンジャーはゴキゲンでいられる。この「嘘みたいに乗り心地が良好である」という点だけをとっても、レイバックは選ぶべき価値が大いにあるSUVだ。

実際に試乗したスバル レヴォーグ レイバックの外観

公道を封鎖した試乗会でのレヴォーグ レイバック。筆者撮影

「乗り心地がいい」だけで終わらないのがレイバックの真価

それに加えてレイバックには、さらに以下のような美点も備えている。

きわめて静粛性が高い

レイバックが履くタイヤは専用開発のオールシーズンタイヤ。イメージとしては「オールシーズンタイヤ=静粛性はイマイチ」というのがあるかもしれないが、レイバックの場合はまったく当てはまらない。低速でも高速でもロードノイズはきわめて小さく、標準装着されるハーマンカードン・サウンドシステムの素晴らしい音場を堪能できるだけでなく、同乗者との会話もラクに行えるのだ。

ハンドリング性能がきわめて良好である

「乗り心地が良くて静かな車」と聞くと、自動的に「ハンドリングはもっさりとしてるのかな?」とも思ってしまうわけだが、実際はさにあらず。レイバックは静かで乗り心地が良いまま、コーナリング時は狙ったラインをピタッと気持ちよく走っていけるスポーティな車でもある。

スバルの社内評価によれば、レイバックのハンドリング性能は「スポーツワゴンであるレヴォーグには少しだけ劣るが、SUVであるXVやフォレスターよりは断然上」というものであるらしい。そしてそのスバルの評価は、現レヴォーグオーナーであり前XVオーナーである筆者の評価とも、ほとんど一致している。

まあまあ速い車である

レイバックが搭載しているパワーユニットは、最高出力177psの水平対向4気筒1.8Lターボエンジン。必要十分な力強さを備えているユニットではあるが、同じスバルの2.4Lターボエンジンほどパワフルなわけではない。試乗前は「……なぜ2.4Lターボを用意しなかったのだろう?」と思ったが、試乗後は「1.8Lターボで正解だ!」と考えを改めた。

スポーツタイプの車であれば、この1.8Lターボエンジンを「やや力足らず」と感じたかもしれない。だが上質で静謐な世界観を持っている「大人向けのSUV」であるレイバックにそれが組み合わされると、不思議なことに「これでぜんぜん十分。むしろ野蛮な2.4Lターボは無粋だし、不要である」と感じられるのだ。何ごとも“相性”というのが大切なのである。

そしてレイバックに搭載される1.8Lターボエンジンも決して非力ということはないため、きわめて優秀なシャシーおよび足回りと組み合わすことで「まあまあ速い車である」という結果が生まれる。よっぽどの飛ばし屋さんでない限り、レイバックの動力性能に不満を覚えることはまずないだろう。

レイバックに搭載されるCB18型1.8L直噴ターボエンジン

けっこう積める車である

都市型SUVであっても、さまざまな荷物を積載する機会は少なくないだろう。そんな際にも、レイバックは十分に対応してくれる。レイバックのボディサイズは、ベースとなったレヴォーグと少し違うのだが(レイバックのほうが少し大きい)、荷室のつくりとサイズはレヴォーグとまったく同じだ。

で、そのレヴォーグの荷室はひたすら使いやすいのである。広くて、奥行きが十分にあって、平らで、そして十分以上の容積を持つサブトランクも床下に付いている。現役のレヴォーグオーナーとして、あの荷室には100点満点を差し上げたいと常々思っている。

レイバックには、そんなレヴォーグの荷室がそっくりそのまま移植されているのだからして、「使い勝手がいい」というのはもう火を見るよりも明らかなのだ。

レイバックにも採用されるスバル レヴォーグの大容量サブトランク

写真はスバル レヴォーグの大容量サブトランクを写したもの。床上の荷室容量が492Lで、床下サブトランクが69Lというのはレイバックもまったく同じ。合計561Lというのは、同門のフラッグシップであるスバル アウトバックの荷室容量と同一の値だ

それでいてレイバックは「安い」SUVでもある

9月7日にスバルから正式発表されたレイバックではあるが、その車両価格はまだ発表されていない(※2023年9月26日現在)。だが筆者が近隣の正規ディーラーで確認したところによれば、レイバックの車両本体価格は税込み399万3000円だ。

車の価格として決して激安ではないが、ここまで述べてきたとおりの優秀なる資質を備えまくり、そしてハーマンカードン・サウンドシステムやアイサイトXまで標準装備であることを考えれば、この価格はカギカッコ付きの「安い」と評価するほかない。スバルの担当者は「このクラスで最強のコスパを目指しました」と言っていたが、まさに最強に近いコストパフォーマンスと言っていいだろう。レイバックは「安い」のだ。

レヴォーグ レイバックのフロントシート

黒一色またはボルドーレッドとなるレヴォーグと違い、レイバックのインテリアはアッシュ系の色味とカッパーステッチを差し色として使った華やかなものになっている

筆者はスバルの回し者でも何でもないのだが、レイバックというSUVについては以上のとおり、どうしたって激賞せざるを得ない。それぐらい、素晴らしい乗り味とコストパフォーマンスを有しているSUVなのだ。

ネガティブな点としては「内外装デザインが今ひとつ垢抜けてない(と筆者個人は思う)」という点と、まだ公表はされていないが、おそらくはさほど良好ではないはずの「燃費」だろう。

ま、デザインについての感じ方は人それぞれでしかないため、「各位でご判断ください」と言うほかない。

そして燃費については、「都市部の一般的な勤労者がマイカーに乗るのはせいぜい週末ぐらいで、それもしょっちゅう長旅をするわけでもないはず。そのためカタログ燃費の良し悪しなんて、そこまでシビアに考える必要はないのでは?」と、個人的には思っている。

とはいえこのあたりの感覚も個人差がデカいため、筆者の考え方を押し付けるつもりはない。

だがいずれにせよレイバックは、車両価格400万円前後のクラスでは“ベスト”と言っていいほど気持ちよく、安全に運転できる一台である。真剣におすすめしたい。

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執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
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  • <公開日>2024年1月16日
  • <更新日>2024年1月16日