車検時にかかる「お金」には、正直ちょっと頭が痛い
日本国内で車を所有するかリース契約を結ぶ限り、2年ごとの(新車は登録日から3年後の)「車検」から逃げることはできません。
もちろん、車や自分、周囲の人々の安全を確保するためにある車検制度は有意義なものですが、車検をパスするために必ず必要となる「けっこうな額のお金」は、正直ちょっと頭の痛いところです。
俗に「車検費用」とざっくり呼ばれている車検時のお金は、そもそもいくらぐらいかかるのでしょうか? そしてそれは、車種や年式、走行距離によってどう変わってくるのでしょうか?
次章以降、みっちり研究してみることにしましょう。
車検費用とは「法定費用」と「車検基本料」「部品交換費用」の総額
まず、世間でざっくり「車検費用」と言われているお金は、実は「法定費用」と「車検基本料」「部品交換費用」という3ジャンルの合計額であることをご存じでしたでしょうか?
「法定費用」というのは、要するに自動車重量税と自賠責保険料、印紙代です。法定費用は排気量や車の規格などによって法律でがっちり定められているため、車検をディーラーに依頼しようがガソリンスタンドにお願いしようが、同じ車種・同じ年式であれば金額は同じです。具体的には軽自動車で約3万円、普通車で4万~6万円ぐらいです。
ただし、新車登録から13年が経過した車の重量税には約39%の重課が行われます。例えば車重1300kgぐらいの中型乗用車の場合、本来なら2万4600円であるはずの自動車重量税が、新車時から13年が経過した車だと3万7800円になってしまうのです。
お次の「車検基本料」というのは、車検を通すための整備料と点検料、検査費用、代行手数料などを合計したものです。これは、法律でがっちり定まっている法定費用と違い、依頼する業種や業者によってまちまちとなります。
その金額は、普通車をディーラーに依頼した場合の車検基本料は4万~10万円ほどが目安で、いわゆる車検専門店やガソリンスタンドなどに依頼する場合の目安が1万5000~3万円ぐらいです。
そして、最後の「部品交換費用」というのは文字どおり、車検にパスするための部品交換にかかる費用です。新車登録から3年後に受ける初回車検では、あくまで一般論として大した部品交換はしないで済む場合が多いはず。しかし新車時から5年、7年、9年……と経過するにつれ、車という機械はどうしたって各部が傷んできますので、部品交換費用は高くなっていく傾向があります。
また、車検整備を行うお店によっても部品交換費用はかなり異なります。安心感をセールスポイントにしているメーカー系列ディーラーは、次の車検までの間に故障の可能性のある部品の交換を予防整備として推奨することが多く、また部品単価や作業工賃も高めに設定されています。
一方で格安車検、スピード車検をうたうお店は最低限の整備・部品交換で済ませる傾向にあり、法規上はもちろん問題はないのですが、ディーラー整備に比べるとやや不安が伴います。一般的な自動車整備工場は比較的、品質とコストのバランスが良く、純正品と互換性のある優良社外品や整備済み中古品などコスパの良いパーツを使うなど融通が効く一面もあります。
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新車登録から1回目の車検にかかる“総額”を算出してみる
以上のとおり「車検費用=法定費用+車検基本料+部品交換費用」ということがわかったわけですが、これが車種や年式、走行距離によってどう変わっていくのかを、次に考えてみましょう。
まずは新車登録から3年後の初回車検にかかる総額の見積もりを、「1.5t以下の中型自動車」と「軽自動車」の2例で算出してみます。
【1.5t以下の中型自動車】
法定費用:46,810円
車検基本料:43,000円(※ディーラーに依頼した場合)
部品交換費用:20,000円
−−−−−−−−−−−−
合計:109,810円
1.5t以下の中型自動車の初回車検にかかる総額は「11万円ぐらい」といったところでしょうか。
もちろんこの金額は、法定費用以外はすべて仮の数字で、具体的には「新車時からまだ3年しかたってないので、必要な部品交換はバッテリーだけだった」という仮定で計算しています。また、仮に4万円とした車検基本料や2万円としたバッテリー代およびその交換工賃も、実際にはもう少し高かったり安かったりするかもしれません。
が、「中型乗用車の初回車検費用総額はだいたい11万円ぐらい」というのは、当たらずといえども遠からずでしょう。
では、これが「軽自動車」になるとどう変わるでしょうか?
【軽自動車】
法定費用:28,130円
車検基本料:38,000円(※ディーラーに依頼した場合)
部品交換費用:8,000円(※例)
−−−−−−−−−−−−
合計:74,130円
これも「必要な部品交換はバッテリーだけだった」という仮定に基づく数字ですが、まぁだいたい「7万円ちょっとぐらい」というのが軽自動車の初回車検にかかる総額でしょう。普通車と比べると、軽自動車の維持費はやはり安上がりなようです。
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「2回目車検」以降はけっこうな総額が必要に
以上は新車登録から3年後の初回車検時にかかる総額の見積もりでしたが、これが2回目車検、つまり新車時から5年が経過した車だと、車検費用総額はどうなるでしょうか? 計算というか推測をしてみましょう。
【1.5t以下の中型自動車】
法定費用:46,810円
車検基本料:43,000円(※ディーラーに依頼した場合)
部品交換費用:52,000円(※例)
−−−−−−−−−−−−
合計:141,810円
法定費用と車検基本料は初回車検と変わりませんが、部品交換費用は初回車検時より3万2000円高いだろうという予想になり、結果として総額は「14万円ぐらい」という、なかなかの金額になってしまいました。
これは、おおむね2~3年ごとに交換すべき車載バッテリーに加えて、新車時から5年たって5万kmぐらいを走行したと仮定すると、約5年での交換が推奨されている「タイヤ」を新品に交換するのに1万8000円ほどかかり、同じく約5年か5万kmごとを目安に要交換となる場合が多い「ブレーキパッド」の交換に、だいたい1万4000円かかるだろうという計算です。
もちろんこれも「あくまで仮の金額」ですので、実際は使用状況などによってもう少し安く済んだり、逆にもう少しかかることもあるでしょう。しかし新車時から5年もたつと、なんだかんだで要交換となる部品は必ず出てくるため、車検をパスするための“総額”は、中型乗用車クラスで14万円前後になるケースが多いはずです。
これが軽自動車ですと、同じ2回目車検でも中型乗用車よりは安くはなりますが、それでも「初回車検よりは高くつく」ということに変わりはありません。
【軽自動車】
法定費用:28,130円
車検基本料:38,000円(※ディーラーに依頼した場合)
部品交換費用:32,000円(※例)
−−−−−−−−−−−−
合計:98,130円
こちらも同じく丸5年でタイヤ4本と前輪のブレーキパッドを新品に交換するとなると、部品交換費用は3万2000円ほどになりそうです。そして総額は――あくまで試算であり、実際はケース・バイ・ケースですが――おおむね10万円弱ぐらいということになるかと思います。
そして新車登録から7年が経過した3回目の車検では、ブレーキパッドではなくブレーキローター(銀色の円盤状の部品)の交換が必要になるかもしれません。
さらに4回目の車検=新車から10年後になると、再びタイヤとブレーキパッドを新品に交換する必要があるのに加え、場合によっては「ショックアブソーバー」という足回りの重要部品が要交換時期を迎えるでしょうし、そのほかにもいろいろな箇所が要交換となっていることは想像に難くありません。
……やはり、なんだかんだで「車検」にはお金がかかるというのが現実なのです。
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ならばオリックス・カーリースの「車検無料クーポン」に注目を!
そして今から約2年後の2024年10月には「OBD車検」という新しい検査がスタートするため、車検に関わるコストは総じて上昇することになるかもしれません。対象となるのは国産車の場合は2021年10月以降に発売された新型車です。例えばトヨタノア/ヴォクシーやホンダステップワゴン、スズキアルトなど最近フルモデルチェンジを受けたばかりの新型車はすべて該当します(ここでいう新型車とはフルモデルチェンジを指し、マイナーチェンジや年次改良を受けただけの車種は該当しません)。
OBD車検とは、自動ブレーキや駐車支援システムなど、近年一般的になってきた電子制御機能の安全と安定を図るための検査。「On Board Diagnostics(車載式故障診断装置)」という機械を使い、自動車に内蔵された電子制御システムが正しく動いているかどうかを検査し、誤作動による事故やトラブルを未然に防ぐために行われるものです。
※写真はイメージです
これのスタートに伴って車検基本料が全般的にアップすることが予想されるわけですが、実はオリックス・カーリースを利用すれば、契約期間内の車検が無料になる「車検無料クーポン」と、「オイル交換無料クーポン」いうものが付いてきます。
このクーポンは、さすがにタイヤやブレーキパッド、バッテリーなどの消耗品代までが無料になるわけではありませんが、
●基本点検整備費用(総合検査料・代行料・印紙代)
●エンジンオイル・オイルエレメント交換
●タイヤローテーション
●バッテリー液・ウォッシャー液補充
●ブレーキオイル交換
●ロングライフクーラント交換
は、このクーポンによってバッチリ無料になります。
そして2024年10月にOBD車検に移行してからも、上記の部分はこのクーポンにより無料となるのです。
もしも車検にかかわる費用を極限まで抑えたいと考えるなら、車を「買う」のではなく「オリックス・リースを使ってみる」という方法を、この機会にぜひ検討してみることをおすすめいたします。
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執筆者
伊達軍曹 - 外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
- <公開日>2022年8月31日
- <更新日>2022年8月31日